ツインカムヘッドのL型が時代を超えて蘇る「TC24-B1」/岡山の「神職人集団」オーエス技研

“無いのなら造ればいい、壊れるなら壊れないモノを造ればいい”

GLIONグループの株式会社オーエス技研(所在地:岡山県岡山市)はLSDやクラッチといった駆動系パーツを主軸に生産するアフターパーツ製造・販売メーカー。40年前に市販化したL型6気筒用の4バルブDOHCヘッド、TC24-B1。それを現在の技術で蘇らせた「TC24-B1Z」が注目を集めています。

オーエス技研:https://osgiken.co.jp/index.php

日本の駆動系パーツメーカーの中でも、少数精鋭な職人集団としてアフターパーツ業界で名を馳せるのが岡山の「オーエス技研」です。これまでに国産唯一の7速シーケンシャルミッションである「OS-FR7」、機械式LSDの利きのよさはそのままに、トルク感応型と回転感応型の長所を持ち合わせた「OSデュアルコアLSD」など、独創的な商品を幾多もリリースしております。また、約25ヵ国に代理店を持ち、日本車・外国車に対応する強化製品、競技用部品を中心に展開し、原材料の吟味調達から加工製品までを一貫して国内で行っております。

  • 現代に蘇った伝説のL型コンプリートエンジン

オーエス技研の原点であり、シンボル的存在である日産のL型エンジンブロックと組み合わせる、オリジナルのDOHC24バルブシリンダーヘッド「TC24-B1Z」を創業者の岡﨑正治が開発/商品化したのは今から40年以上前。現在のような解析技術も精度の高い工作機械が存在しない時代に、自動車メーカーではなく小さな地方のビルダーが成し遂げたことはアフターパーツ業界を騒然とさせました。

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当時は技術的な面を含めて量産化には至らず、9機の生産にとどまりましたが、2012年に最新技術を投入したリメイクモデルとして復活。復活にあたり各部を刷新、カムホルダーをキャップ式に、カム駆動はギア駆動を採用し、バルブクリアランス調整をシム式に、カムのオイル潤滑をロッカーアームからの直接潤滑に変更するなど、高性能化を実現しました。コンプリ―トエンジンで620万円からという高額でありながら、現在も2年のバックオーダーを抱えるほどの人気となっています。

  • 「TC16-MA1/2」を元祖とする、進化バージョン「TC16-C1」

「TC24-B1Z」の弟分でもある4気筒板の「TC16-C1」は2022年PB110型サニーエクセレントに搭載されシェイクダウンしました。L18型ブロックをベースに、オリジナルのムービングパーツを使って2.1Lまで排気量をアップ、その上にオリジナルのDOHCヘッドをドッキングしている。燃料供給はウェーバーの50Φで、パワーはなんと250ps以上。

TC16-C1TC16-C1

こうしたこだわりが凝縮されたパーツラインアップにより、近年までオーエス技研=マニア御用達の硬派なパーツメーカーのイメージが強くありましたが、ここ数年は王道といえる独創的なパーツ開発/販売はそのままに、その知見や技術力を活かした一般実用車向けの安全性を高めるパーツ開発やECサイトでの直販、オイルやアパレルなどにも商品展開を拡大しつつあります。

  • 会社概要

社 名:株式会社 オーエス技研
所在地:〒702-8001 岡山県岡山市中区沖元464
電 話:086-277-6609
創 業:1973年
設 立:1988年4月8日
事業内容:自動車部品の企画・開発・製造・販売
HP:https://osgiken.co.jp/index.php

  • 設立の経緯

創業者岡﨑正治が岡﨑スピード技術研究所として創立、市販のオートバイや自動車のチューニングの傍らで1970年初頭、彼のライフワークでもある自身の理論と技術の粋を集めた高回転・高出力オリジナルエンジンTC16-MA1の開発に成功。だが高出力であるが故、最終の駆動輪まで動力を伝える既成市販品のクラッチ・トランスミッション・デファレンシャルギヤが音を上げる。エンジンの出力を最大限に末端まで伝える為に「壊れるなら壊れない物を作ればよい」という彼の並々ならぬ情熱と「何事もやってみなければわからない」という信条が今日のOS技研に脈々と受け継がれ、製品へと形に変わり表現されております。