NETZ TOYAMA Racing 参戦10年目にしてGR86/BRZ Cup初優勝!
全日の公式予選では、突然雨が降りコースコンディションが、ドライからウェットに変化していくなか、予定の1周アタックから複数周アタックをしてタイムを出す作戦に急遽変更。天候、タイヤ、時の運を味方につけた松井は、最終ラップで予選2位のタイムを出すことに成功。
翌日の決勝レースの天候は晴天。過去最高位からの決勝レースを前に、松井を始めとしたチームメンバーは、良い緊張状態にあった。予選2位の高ポジションでのスタートではあるが、スポーツランドSUGOはコース幅が比較的狭く、オーバーテイクすることが難しいサーキットである。決勝レースの作戦は、『5周でトップに立って逃げ切る』で、レース終盤の展開は予想することが難しく、松井の腕に託すしかなかった。
決勝レース1週目、トップのマシンが、最終コーナーで曲がり切れず外に膨らんだタイミングを見逃さなかった、松井は1位に浮上。作戦通りの、逃げ切り作戦が発動。しかし、レース序盤にタイムを出すセッティングのマシンは、徐々に後続車両に追いつかれ、残り2周の段階で、テールトゥノーズ(前のマシンの後部と、後のマシンの先端部が、触れそうなほど接近すること)となってしまう。一つのミスで、トップを奪われる状態になりながらも、巧みなライン取りで終始落ち着いた走行を続け、当レース初の1位を勝ち取った。
同レースに参戦して10年、ネッツ富山の社員で構成されるピットクルーは、レース経験の少なさや、シビアコンディションで走るマシンのセッティングの難しさから、トップドライバーの要望を形にできず、もどかしく、悩み苦しんだ時期が何年も続いた。この、ドライバーとピットクルーのスキルと経験値の乖離を、10年をかけて徐々に埋めることに成功し勝ち取った優勝は、チームにとっても、ネッツトヨタ富山にとっても一言では語れない、非常に重く、価値のあるものであった。
次戦は9月24日(土)・25日(日)に十勝スピードウェイで第3戦が予定されている。チームは、第2戦優勝の勢いそのままに表彰台を目指す。